「京福電鉄常盤駅の裏に」
京福電鉄「常盤駅」の裏に私の通っていた高校があります。当時ワンダーフォーゲル部に所属していた私 は、放課後には大覚寺まで走り、大沢池に夕焼けが近づいてくる情景を見つめながら走り帰ってくる・・ (あるいは荷物を背負って歩いて帰ってくる)・・というプログラムを繰り返していました。先日の[よ どこんレクリエーション]では、好天の中、嵐山から大覚寺の散策を楽しむことが出来ました。昼過ぎか ら「よどこんメンバーズ」とは離れ、子供の手を引きながら常盤駅までの道を歩いて帰りましたが、道路 が舗装されたこと以外にはあまり大きな変化はなく、10数年ぶりのなつかしい風景を味わうことが出来 ました。よく歩いたりんちゃんに「りんたろう(時々愛情を込めてこう呼んでいる)・・かしこかったな」 と言うと、「とうたろうもやん・・」とかん高い声で言われてしまいました。合唱のない日曜を久々に堪 能した気分でした・・。
さて、コンクールの結果は現状としては大健闘のものだったと言えます。しかし、コンサートに比べて人
数が激減したり、コンクールでの目的意識を明確にしきれなかったところに私自身は反省の念を感じてい
ます。また、演奏会の演奏における課題を克服したことは大いなる成果であると言えますが、「銅」と
「銀」の間には「よどこん」の基礎力に根差した根本的な課題が含まれているようにも思います。この団
は決して、コンクールの結果に敏感になる合唱団ではありませんが、その結果から想像できる我々にとっ
ての課題を明確に意識することが、我々の音楽を豊かにすることに繋がっていくのならそれに越したこと
はない訳です。私の観じている「よどこん」にとっての致命的な課題を2つ挙げます。
一つが「声」
もう一つが「耳」
だと言えると思います。
「声」と「耳」はもちろん合唱の基本であります。これが課題だと言うなら、世の中のアマチュア合唱団
の全てがこの課題を持っているのだと言えますが、特に最近の「よどこん」の練習で感じるのが、合唱の
原点に立ち返ったこの2点の課題であります。
「声」とは非常に個人差のあるものです。当然課題も個人的なものではないかと思います。
響きの集まりにくい人と、響きは掴んでいるが息のコントロールが上手く行かない人、浅い声、喉をつめ
すぎた暗い声・・、学生合唱やOB合唱のようにある程度全員の音楽的なバックボーンが統一されている合
唱団にとっての課題とは違い、我々のように様々なバックグラウンドで経験を経てきた人と初めて合唱を
する人が混ざっているような合唱団では当然違った工夫や取り組みが必要になってくるのだと思います。
声の件は特に女声にとっての課題ですし、一朝一夕にいかないことは承知していますが、出来るだけ個別
の練習などを多用していく工夫をし、個人別の課題の認識を深めながらパートとして整えていかねばなり
ません。
「耳」に関しては、努力と集中力と準備によって随分鍛えられるはずです。
「良い合唱」をしてきた経験のある人は「良い耳」を持っています。
耳を鍛えるためには、やはりちょっとした努力が必要でしょう。練習の最初の頃はともかく、練習が進ん
でいるにも関わらず自分のパートの声を出すのが精一杯、あるいは、楽譜にかじりつきという状態ではと
ても他パートやパート内の他の人の声を聞いている余裕はありません。合唱を趣味に選んだ以上は、五度
の響きや三度の和音がいかに聞こえるのか自分の耳で確かめてみたいものです。自分の合唱団がどんな音
を出しているのかを聞きながら練習に取り組まなくては合唱団の意味はありません。
オーケストラと一緒に活動をする合唱団にありがちな、取りあえず「参加することや、大きな声を出すこ
とに意義がある」というような感覚は卒業しましょう。合唱団の目標は「個人的に歌えるようになる」と
か、繰り返し練習で「暗譜出来るようになる」というものではありません。(これは絶対に勘違いしない
でください)
個人が集まって、個人では出来ない楽しみを味わう場なのです。一人で和音が作れないように、一つの音
を「共有する感覚」が持てないように、合唱における楽しみを味わえる「合唱団のための練習」をしてい
かなくてはいけません。その為に個人差を埋める努力をしてもらわなくてはならないでしょう。(アンサ
ンブルを重視しつつも、補習や個人練習を積極的に展開していこうとは思っています)
…「声」と「耳」・・この2つの大きな課題を意識しながら練習に取り組みましょう。
その他、もう一度繰り返します。
●母音の発音について(特に外国語)
A …縦に口を開き(Oに近い感じ)深い音色にしましょう。
E …縦に口を開き(Aに近い感じ)深い音色にしましょう。
U …奥歯を噛んではいないでしょうか?
…話し言葉と歌う時の言葉は完全に別だと考えましょう!
…日本語と外国語の母音は似ているだけで全然別ものだと考えましょう!
● 音符単位ではなく、言葉単位で歌うことについて
…語頭と語尾の区別!
…長母音と短母音の区別!
● 中途半端にブレスをしないで、言葉を飛ばしてもフレーズを歌っていくことにつ
いて、
…フレーズの始まり(終着点を見据えながら歌い出すこと)
…フレーズの終わり(語尾や言葉の終わりと上手く歌い収めること)
以上のようなことはどんな曲がきても、基本事項としてこなして下さい。(その上での指示は曲によって
異なると思います)
●一度言われた指示や自分の苦手とするポイントを必ず確認してから歌いましょう。
●楽譜の苦手な人・練習になかなか来れない人ほど早い時期にともかく楽譜を読み込んでしまいましょう。
(指示を聞く余裕が出てくると思いますので・・)
以上のようなことは、練習回数の少ない合唱団にとっては絶対に欠かせないことです。我々は週に2回練
習している合唱団ではありません。個人で出来る努力の範囲を広げていくことで、より突っ込んだ練習
(音楽的な練習)の割合を高められるのです。例えば、コンクールで演奏したポリフォニーもまた「他の
パートを意識しながら」歌うという意味においては大いに参考になったはずです。経験を生かし一回ずつ
クォリティを上げて取り組んでいくというのは、何事においても大切なことでしょう。
◎我々は、常に次
回の演奏会がそのこの前の演奏会よりも素晴らしいものになるよう努力をしなければなりませんね・・。
P.S 先日、実家の片隅から古いオープンリールが出てきました。5歳の私が絵本を朗読している様子が
録音されていてびっくりしました。
以上
よどこんプラザindexへ